スパイスがつなぐチームの絆
先日、チームメンバーのTajulさんが、私たちのためにバングラデシュのチキンカレーと野菜の炒め物を作ってきてくれました。15人以上のメンバー分を準備するのは、きっととても大変だったと思います。しかも遠くから電車で通っているので、料理を運ぶのも一苦労だったはずです。
それでも、Tajulさんはいつもの笑顔で料理を紹介して、私たちに振舞ってくれました。一口食べた瞬間、スパイスの香りと旨味が広がり、思わず顔がほころびました。深みのある味わいの中に、どこか家庭の優しさを感じました。日本でも本格的なカレーを食べる機会はありますが、Tajulさんと奥さまが作ってくれたカレーは、それとはまったく違う、記憶に刻まれるような味でした。
私は料理が得意なほうではありませんが、この日のカレーにすっかり魅了され、翌週末には自分でもスパイスカレーを作ってみました。5種類の食材と3種類のスパイスだけで、想像以上に奥深い味が生まれることに驚きました。もちろんTajulさんのカレーには遠く及びませんが、少しだけその世界をのぞかせてもらえた気がします。
料理を通して、文化や想いを共有することの豊かさを、改めて感じました。異なる文化における言葉や習慣の違いを超えて、温かな時間をともに過ごせることは、何よりの宝物です。Tajulさんの優しさと、その心のこもった料理に心から感謝しています。あの日のスパイスの香りと味わいは、今もじんわりと私の心に残っています。