虹の向こうへ
Yangさんの送別会を行いました。
Yangさんは2年3か月、私たちのラボで研究員として研究に取り組み、このたび中国で自身の研究室を立ち上げるため帰国されます。
思い返すと、本当にたくさんの時間を一緒に過ごしました。フィールドワークでは、日が暮れるまで泥だらけになって働き、終わった後にみんなで食べるご飯が何より楽しみでした。実験データの解釈では、時間を忘れるほど議論を重ねたこともあります。ここには書ききれないほど、多くの思い出があります。
Yangさんは、私がこれまで出会った研究者の中でも、とりわけ人への思いやりにあふれ、誠実で、そしてチャーミングな方でした。
研究に向き合う姿勢も本当にまっすぐでした。多くの論文を読み、研究課題を深く見つめ、丁寧に研究デザインを組み立てる。メンバーと納得するまで議論し、地道に実験を積み重ねる。失敗しても決して諦めず、新しいアイデアを柔軟に受け入れ、新しい技術を積極的に学ぶ。そして、どれだけ成果を上げても驕ることなく、いつも謙虚で笑顔を絶やさない。そんな姿をすぐそばで見ながら研究できたことは、私にとって大きな財産です。
研究の道は決して平坦ではありません。思うように結果が出ず、苦しく、迷う日もあります。日本で過ごした10年間、Yangさんも数え切れないほどの壁を乗り越えてきたことでしょう。
送別会で流れた涙は、その時間がどれほど大切で、かけがえのない日々だったかを物語っていました。そして、その想いを私たちに見せてくれたことは、このラボを家族のように思ってくれていた証なのだと思います。
送別会の最後に、Yangさんは「このラボは本当に最高でした。最高の仲間と、とても研究しやすい環境でした。ここで過ごした時間は私にとってかけがえのない宝物です」と話してくれました。その言葉は、私たちにとって何より嬉しい贈り物でした。
送別会の前日、雨上がりのつくばの空には大きな虹がかかっていました。
私はその虹を見ながら、日本と中国をつなぐ大きな架け橋のようだと感じました。
これからは国は離れても、研究者として新しい関係が始まります。中国で活躍するYangさんと、これからも一緒に研究ができることを心から楽しみにしています。
この虹を見るたびに、Yangさんのことを思い出すでしょう。そして中国での活躍を願いながら、自分たちもまた前に進もうと思います。
Yangさん、私たちのラボに来てくださり、本当にありがとうございました。